三条テレ子さんの作者ニュース

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Deleted Scene (「思惑」より)


前に記しました通り、スランプ中です...。なかなか文章がまとまらず、いつもは文章は天から降ってくるようなものなので書く時何も考えていませんが、今は試行錯誤しています。そこで148ページの続きとして、このような形も考えました。が、自分でボツにしました。

もし興味がありましたら。


~~~

小さく答えると同時に、テリザの後ろでドアが軋んだ。

「アレク…!」

振り返ったテリザの目に映ったのは、とんでもなく不機嫌そうな表情をした、同僚の彼だった。

「おはよ…」

「お前、まだそんなこと言ってんのかよ。」
テリザが挨拶を言い終わらないうちに、彼はラッドに向かって言った。

「お前にとってこいつは『妹』か?」
「アレク、今その話は……」
テリザをちらりと見てラッドは言い出したが、アレクは続けた。

「半端にふらふらしてんじゃねぇよ。いい加減にしろ。」
吐き捨てるように言って、アレクは踵を返した。

「アレク…っ」

テリザは焦ったように、ラッドと、アレクの去っていった方を交互に見た。
ラッドは、目をそらしていた。

「っ…すみません、失礼します。」

テリザは頭を下げ、ラッドの返答も待たずに部屋を飛び出した。
(あ……)
大股で玄関に向かうアレクに、廊下の端で追いついた。

「お願い、ラッド様に怒らないで…私なら、大丈夫だから…。」
「俺は言ったことを取り消すつもりはない。」
そう言い放たれ、テリザは少しひるんだ。

「大体、お前も少しは文句言えよ。お前は何も関係なかったんだろ。」
「そんなこと…。私は、責任を果たしてるだけだよ。」

彼について外に出ると、久しぶりの日差しが目に沁みた。

「…だから、大丈夫。」

眩しそうに目を細めて空を見上げてから、テリザはくるりとアレクに向き直った。

「だから、ね。お願い。ラッド様と仲直りして。」
真剣な眼差しでアレクをじっと見た。
「…後悔なんて、してほしくないから。」

「俺は、ラッドに言ったことは後悔してない。」
アレクは言い返したが、テリザはもう怯まなかった。

「でも、嬉しくはないでしょう?」

アレクはふいっと顔をそむけた。
「…チッ」

(ええ?!?今、舌打ち…)

「しょうがねーな。」

パッとテリザは顔を上げた。

「…お前のことでラッドに言ったってのに、お前に言われて意地張っても仕方ねーだろ。」

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