NEWやぶさか。さんの作者ニュース

Gな彼女との同棲生活なう!

 彼女は突然、何も持たず押し掛けてきた。戸惑いを隠せない俺に、戸惑うことなく押し掛けてきた。どうだ、グレートな彼女だろう!


 いつ押し掛けてきたのか、いつ招いたのかは覚えてないが、とにかく押し掛けてきた。積極的かつ図々しい押し掛け女房。どうだ、グレートな彼女だろう!


 しかしこれら全ての奇行を許すは、惚れた弱み! デコを境に中分けした栗色の髪! 男の癖に背が低い俺より更に小さい、俺好みの背丈! 惚れさせた強みを持った彼女は、いつしかこの家の主導権を奪いつつあった。



俺「はは、相変わらず君は遠慮と言うものを知らないな」


彼女『……』


俺「はは、少しくらい見つからない努力もしてみようよ」


彼女『……』


俺「はは……そのほうが、ほら、お互いのためでもあるし……」


彼女『カサカサッ、カサカサカサッ!!』



 堂々と天井を通路にし、堂々とキッチンに向かって行った。どうだ、Gな彼女だろう……。


 今や床を、カーテンを、天井でさえ堂々と歩き回る彼女。惚れた弱み、じゃないやビビって手を出せない弱みを握られた俺は、ただ傍観するしかない。どうだ、Gな彼女だろう……。


俺「このままではいかん! Gが怖くて男子がやってられるか! Gーク俺!」


 思い立ったGーク男子は、何故奴等を怖がってしまうのか、を調べてみた。高々、小さなカブトムシを何故こんなに怖がってしまうんだ?


 調べてみた結果、そもそもGを嫌ってるのは日本人とアメリカ人だけらしい。他の国、とくに湿度の高い国ではGが家にいるのは当たり前で、現れたところで何分驚くこともないそうである。


 だから我々日本人は、G=皆が怖がってるという概念の元奴等を怖がってるのだ。だから我々日本人の中のしかもGーク男子が、奴等を怖がる必要など無いのだ!


俺「Gーク俺! 奴等が怖くてカブトムシ採集に行けるか!」


俺「Gーク男子! 奴等が怖くて自●が出来るか!」


 意を決したGーク男子が、丸めた新聞紙片手にキッチンへのドアを開けると——



彼女のお子さん『……』



 ——コンロの片隅に巣くう小さな黒い影が目に止まる。



彼女のお子さん『カサカサッ、カサカサカサッ!!』



 食器棚の中へ隠れるGなお子さんを尻目に、Gークビビりはゆっくりそのドアを閉めた←

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5歳と8歳と10歳の妹たちについての短篇集です♪[※妹の写真は悪用禁止]
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