やぶさか。さんの作者ニュース
奪われちゃった……ーストKISS
奪われた……奪われちゃった……成り行きで、こんな事になってしまった……。
会うなり身体を押し当てて来た……ゆっくりと絡み付いて来る誘惑は少々肌寒い今日の夜風に対しても、確かな熱を帯びていた……。
それでも尚、立ち去ろうとするおれの足取りを誘惑の足取りがはばかった……素早く正面に回り込む、小柄の癖に足の早い彼……。
決して望んでいる訳では無いのに何故だか惹かれてしまう自分では制御する事のできない欲求に分別をつけるべく……『こっ、ここは年長者として説教をくれてやらないとっ』自分に言って聞かせる……。
「あ、あのねえっ――」
注意をしようと人差し指を立て、背の低い彼へ顔を寄せる。すると、
「――喋んニャよ」
口づけのチュー意を受けてしまった……。
↓おれのニャ〜ストKISSを奪った相手
http://www.fastpic.jp/images.php?file=1733069248.jpg
いやお前が喋んなよ。猫だろ。
と言う訳で、今おれは彼(野良猫ね?)を腕枕している。誘い受けなのかね、ネコだけにね。
小柄なのは当たり前だよね、人と猫だもんね。恐らく年長者だよね、人類と猫科だもんね。
チューって言っても彼のは鼻チューだしね。それでも、いきなり口にされた時はびっくりしたよね。少女漫画で壁バンされるヒロインみたいな表情に成っちゃったよね。いや、ニャっちゃったよね。
ガソリンスタンド脇の駐車場にて。彼を膝に乗せながらスマホを弄っていると、今まさに老夫婦が通り掛った。
都合の良い人類(おれ)の腕を飛び出すと彼は、『うにゃ〜//』猫なで声を上げながら新たな人類目掛け風になった。
流石は野良猫、飛んだプッシーキャットだよね(笑)
※今回も後半に続く(笑)