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With the king…

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シグマは湯浴みを済ませ

厩室(キュウシツ)着に着替えると

中庭に面した廊下を歩く

今宵は月の光が薄雲に遮られて

噴水や手入れされた花々も

ひっそりと身を隠しているよう思えた。

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◆王と侍女◆
シグマは中庭に下りて、

火照った身体に夜風を受けた。

冷んやりと心地良い

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sigma⚔

酒持って来りゃよかった

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侍女

旦那様…コレを

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浴場でシグマに厩室着を着させた侍女が

酒瓶を両腕に抱えるようにして持って来た。

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sigma⚔

おぉ!

気が効くオンナだな

しかも、ラムをチョイスするとは

オレの事よく分かってんじゃねぇか

感心

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シグマは酒瓶を受け取ると

コルクを歯で抜き取り

のどを鳴らして豪快に飲んだ

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侍女

あ、ありがとう…ご、ござ…失礼します!

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sigma⚔

ちょっと待て

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シグマは乱暴に侍女のウデを掴み上げた。

ヒィッ

っと、怯えた声をあげた侍女は

失礼な態度に恐縮して

もう片方の手で自分の口をふさいだ

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