テキストサイズ

おうさまの金曜日・窃取篇

111

ビアルネスはキョトンとした表情でシグマを見ていた。

(この人アタマ大丈夫かなぁ)

興味本位でわざわざ病院まで来てみたが、急にどうでも良くなった気分。

112

ビアルネス

あはは…やっぱりアナタのこと知らなかった。

おじさん、お大事にしてねー
ビーはコレで失礼します。

113

シグマ(獅真)

ま、待ってくれ!ビアルネス!
 
オレはオマエが居ないと自分の世界に帰れないんだ…頼む手を貸して欲しい。

114

シグマはとっさに嘘をついた。

どうやら、ビアルネスには異世界に来た時の記憶が無いらしい…ここで逃げられては全てが台無しになる。

シグマは焦りながらも頭を働かせた

115

シグマ(獅真)

とりあえず、コレの使い方を教えてくれないか…

116

シグマはスマホを手にとってみせた。

117

ビアルネス

おじさん、ウケる
まず持ち方から教えなくちゃだ…

118

ビアルネスの指導の下、シグマはスマホの操作に悪戦苦闘している。

初めて見る薄い板は膨大な知識が詰まっていて、使いこなせれば自分の役に立つ道具だと理解した。

119

ビアルネス

あー、ダメダメ
そんなに強く押したら壊れちゃう

指先でチョンってすればいいの
分かった?

120

ふと、ビアルネスが顔を上げると、シグマと目が合う。

深緑の瞳がジッとビアルネスを見つめている。

よく見ると割とイケメンかも…
そう意識すると胸がドキッとして急に恥ずかしくなった。

クリックして次のテキストを表示

/34ページ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ