おうさまの金曜日・窃取篇
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ビアルネスはキョトンとした表情でシグマを見ていた。
(この人アタマ大丈夫かなぁ)
興味本位でわざわざ病院まで来てみたが、急にどうでも良くなった気分。
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ビアルネス
あはは…やっぱりアナタのこと知らなかった。
おじさん、お大事にしてねー
ビーはコレで失礼します。
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シグマ(獅真)
ま、待ってくれ!ビアルネス!
オレはオマエが居ないと自分の世界に帰れないんだ…頼む手を貸して欲しい。
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シグマはとっさに嘘をついた。
どうやら、ビアルネスには異世界に来た時の記憶が無いらしい…ここで逃げられては全てが台無しになる。
シグマは焦りながらも頭を働かせた
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シグマ(獅真)
とりあえず、コレの使い方を教えてくれないか…
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シグマはスマホを手にとってみせた。
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ビアルネス
おじさん、ウケる
まず持ち方から教えなくちゃだ…
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ビアルネスの指導の下、シグマはスマホの操作に悪戦苦闘している。
初めて見る薄い板は膨大な知識が詰まっていて、使いこなせれば自分の役に立つ道具だと理解した。
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ビアルネス
あー、ダメダメ
そんなに強く押したら壊れちゃう
指先でチョンってすればいいの
分かった?
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ふと、ビアルネスが顔を上げると、シグマと目が合う。
深緑の瞳がジッとビアルネスを見つめている。
よく見ると割とイケメンかも…
そう意識すると胸がドキッとして急に恥ずかしくなった。
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