大好きな人
完結[作品説明]
「友梨香、制服着なさい。」
部屋でゲーム中、突然母にそう告げられた。
「へ??なんで?」
「佐藤お婆ちゃんの葬式に行くから」
「……え…?」
突如母の口から飛び出した、「佐藤お婆ちゃんの葬式」。
私は口をポカンと開けたまま、身動きが取れなくなった。
「何してんの、早く着替えなさい」
その母の一言で我に返り、急いで身支度を始めた。
制服を来てる間中、走馬灯の様にお婆ちゃんとの思い出が頭の中を駆け巡っていた。
血も繋がって居ない、赤の他人の私に優しくしてくれた。
舞を教えてくれた。
辛い時笑わせてくれた。
そんなお婆ちゃんが亡くなった……。
私はそんな事を信じる事が出来なかった。
死ぬ訳ない、きっと生きてる。
きっと、脅かす為に嘘ついてるんだと。
そう、本気で思っていた。いや、思いたかった。
たとえどんなに信じがたい事でも、真実は真実。
葬式は予定通り進められていった。
お坊さんの読経が始まり、泣く人も出てくる中、私は茫然としていた。
辛い現実から目を背けようと、必死に違う事を考えようとしても、思い出されるのはお婆ちゃんの事だった。
刻はすぎ、焼香。
茫然としていた私は我に返り、母に教えてもらった通りにした。
手を合わせている時、それまで堪えていた涙が溢れ出した。
それからずっと、家に帰るまで私は泣いたり茫然としたりの繰り返しだった。
出棺時の安らかな顔は、忘れる事が出来ない。
次の日。
火葬場へと向かった私達は、最後の別れをする為、
お婆ちゃんの顔を覗き込んだ。
出棺前に見た、お婆ちゃんの顔。
全く変わって居なかった。
今日は泣かないでいよう。
そう決めて覗き込んだものの、顔を見たら当然、涙が溢れた。
その場にいるのが辛くなり、泣きながら逃げ出した。
外に出て涙が落ち着いて来た頃、後ろからゴーっという何かを燃やす音が聞こえ、思わず振り向いてしまった。
そこで目にしたものは、煙突からもくもくとあがるどす黒い煙だった。
あれが、お婆ちゃんの……
そう思うと、またもや涙が溢れ出し、その場に座り込んでしまった。
母に支えられ、やっと車に乗り込んだ私は、いつの間にか眠ってしまっていた。
あれからもう四年。
大好きなお婆ちゃん。
そんなお婆ちゃんを、私は生涯、忘れる事はないだろう。
部屋でゲーム中、突然母にそう告げられた。
「へ??なんで?」
「佐藤お婆ちゃんの葬式に行くから」
「……え…?」
突如母の口から飛び出した、「佐藤お婆ちゃんの葬式」。
私は口をポカンと開けたまま、身動きが取れなくなった。
「何してんの、早く着替えなさい」
その母の一言で我に返り、急いで身支度を始めた。
制服を来てる間中、走馬灯の様にお婆ちゃんとの思い出が頭の中を駆け巡っていた。
血も繋がって居ない、赤の他人の私に優しくしてくれた。
舞を教えてくれた。
辛い時笑わせてくれた。
そんなお婆ちゃんが亡くなった……。
私はそんな事を信じる事が出来なかった。
死ぬ訳ない、きっと生きてる。
きっと、脅かす為に嘘ついてるんだと。
そう、本気で思っていた。いや、思いたかった。
たとえどんなに信じがたい事でも、真実は真実。
葬式は予定通り進められていった。
お坊さんの読経が始まり、泣く人も出てくる中、私は茫然としていた。
辛い現実から目を背けようと、必死に違う事を考えようとしても、思い出されるのはお婆ちゃんの事だった。
刻はすぎ、焼香。
茫然としていた私は我に返り、母に教えてもらった通りにした。
手を合わせている時、それまで堪えていた涙が溢れ出した。
それからずっと、家に帰るまで私は泣いたり茫然としたりの繰り返しだった。
出棺時の安らかな顔は、忘れる事が出来ない。
次の日。
火葬場へと向かった私達は、最後の別れをする為、
お婆ちゃんの顔を覗き込んだ。
出棺前に見た、お婆ちゃんの顔。
全く変わって居なかった。
今日は泣かないでいよう。
そう決めて覗き込んだものの、顔を見たら当然、涙が溢れた。
その場にいるのが辛くなり、泣きながら逃げ出した。
外に出て涙が落ち着いて来た頃、後ろからゴーっという何かを燃やす音が聞こえ、思わず振り向いてしまった。
そこで目にしたものは、煙突からもくもくとあがるどす黒い煙だった。
あれが、お婆ちゃんの……
そう思うと、またもや涙が溢れ出し、その場に座り込んでしまった。
母に支えられ、やっと車に乗り込んだ私は、いつの間にか眠ってしまっていた。
あれからもう四年。
大好きなお婆ちゃん。
そんなお婆ちゃんを、私は生涯、忘れる事はないだろう。
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【全て事実】
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