虫くんは少し頭がおかしい。

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[作品説明]

さて、今「蜉蝣の羽化」なんて自伝的な物々しい話を書いてる私ですが、フツーに馬鹿なことも沢山しましたよ。

もう時効だと思うので書きますが、中学に入り先ず、三年の先輩に目をつけられました。と言うのも、目付きが悪くなんとなく目立つ存在だったからです。
そして、まあ、なんと言うか有りがちに昼休みに呼び出されどうやらリボンタイの結び方が気に入らないとか言う下らない理由でしたが…ボッコボコにシメ返しました。相手は複数人いましたが、タイマン、と言う形に口八丁手八丁で持っていき、完勝!

もともと腕っ節には自信がありましたから。
其処から女番長(ダサいっすね!)に気に入られ夜な夜なバイクを盗んだりして(あ、朝には返しましたよ?)乗り方を教えてもらいました。

直結で繋ぐとエンジンは掛かるのですが先輩がブレーキまで切ってしまっていたようでブレーキが掛からず……低速スピードで半泣きで走り続ける私に先輩が「止めてやるからこっちに来い!」と力強い言葉をくれました。
先輩は縦にも横にもでっかかったので大丈夫だろうと「先輩!私を受け止めて!!」なぁんて思いつつ
バイクでそちらに向かいました。

………先輩、吹っ飛びました…バイクは止まりましたがゴロゴロと竹藪の中に落ちていき私は半泣きで呼び続けました。

何分経ったかパニックで分からないまま呼び続けて…ようやく先輩が竹藪の中からよろめきつつ出て来ました。
「先輩、び、病院に…」と言いかけたもののそうすれば悪行がバレます。
私も先輩も困ります…先輩は言いました。

「肋骨の骨折は自然に治るから大丈夫やで」と……

折れてますやん!!

と、ツッコミそうになりましたがその日はそれでお開きになりました。

次の日からサラシで胴体をぐるぐる巻きにした先輩を見るようになりました。
私に轢かれたとは言わず「気合いだべ!」と言ってましたが……本当に1ヶ月ほどで骨折を治した先輩に一生ついていこうと思いました。

十数年経ったいまでも交流があります。

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