ワルキューレの朝ごはん

完結

[作品説明]

あの日に見た夕暮れ時の光景を僕たちはたぶん生涯に渡って忘れることはないだろう。

事実、多くの人々が軽々しく口にする「永遠の愛」とやら云う現象は、その種の確信から生まれ落ちて儚く俄に消え失せる。

そこで人々が、出喰わすものは何か?自分自身には属さない
非人格的な瞳を獲得して世界を思いも由らない相貌の元に捉えることになるだろう。

その心が折れて撤退してゆく
先が他ならないこの非在郷
(ユートピア)の美しい均衡と云う夢の中で、本当に幼い子供の如く戯れる無葛藤地帯。

大阪メトロ谷町線の大日駅
の駅前に嘗(かつ)て存在した
三洋電機の冷蔵庫の工場は今やAEON(イオン)と云う
名前のそれに変わった。

通っていた中学も自宅も今
はない、、、それを「退廃」と
云うのなら「退廃」なのだ。

17年後の主人公は故郷を郷愁すら宿っていない瞳で眺めて
見るのがせいぜいなのだが、

バズルのピース(断片)を拾い集めるように過去の記憶を辿りながら彷徨うと云うのは

「愛の物語」の忠実なる継承者としての特性である。見えない
バズルの失われたピース(断片)

ユートピア(パラダイス)の
地盤は儚く脆弱で今にも崩れ落ちそうな廃墟だったのだ。

17年後の主人公はところで愛はどうしてしまったのだと空しく辺りを漂う他あるまい。

そしてたどりついた廃墟跡、

「約束しただろう?」

40近い年齢に達した主人公のB少年は美しい顔立ちのB少女と出喰わして恋に落ちる。

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恋愛】 【友情】 【学園

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