止まない雨はない

完結

[作品説明]

アメリカ、NYのとある病院で眼科医として勤務していた山口瑠歌は、ダウンタウンで暴行を受け、アンビュランスで運ばれてきた、一人の青年の眼を治療する。
青年の名は上杉タカシといい、ジャズピアニストになるため、武者修行で渡米していたが、親友が自分のせいで亡くなったことに負い目を感じていた。
彼を励まし、医師としての立場を越えたとき、瑠歌はタカシへの想いを自覚する。タカシもまた、亡くなった親友に後ろめたさを感じながらも、瑠歌に惹かれ、衝動で関係をもってしまう。

始まりこそ強引ではあったが、二人は一緒に暮らし始め、絆を深めていく。そんなある日、瑠歌にドイツの大学病院から客員教授として招聘される話が舞い込む。
中途半端な自分の生き方のせいで瑠歌をダメにしてしまう、と感じたタカシは彼と別れを決意し、待ち合わせのJFK空港に現れることなく、姿を消す。
深く傷つきながらも、瑠歌はドイツで研究の日々を過ごす。そんな彼に一報が届く。経済界や政界に権力を持つ男・堺谷がタカシを見込み、彼を日本に住まわせているという。

歓楽街のバーの主人として生きていたタカシの目の前に、数年後瑠歌が現れる。どんなに時や距離を隔てても、二人の愛は変わらず、彼らは再び永遠の愛を誓うのだったが…。

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