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短編集

第10章 『祖母の夏』

男の子が案内したのは、お稲荷さんを奉った神社の裏手。

山から流れるせせらぎがあった。

彼女はそこで、顔を洗って口を漱いだ。

男の子も彼女と同じようにした。

そうして、袖で顔を拭った二人は、見合わせて、笑った。

彼女が笑ったのは久しぶりだった。

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