遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
ソヌの欲望に燃える瞳が異様に光る。
その手が胸に巻いた布にかかったまさにその瞬間、凜とした声が危うい熱を孕んだ静寂を破った。
「何をしている!」
涙の滲んだ瞳に、こちらに向かって駆けてくる南斗の姿が見えた。
「貴様、自分が何をしでかしたか判っているのであろうな」
南斗の拳がソヌの頬に炸裂し、ソヌの巨体が後方に吹っ飛んだ。
しかし、南斗はそれで終わらせるつもりはないらしく、仰向けに倒れたソヌの上に跨り、更に二度、三度と頬を殴った。
最初は暴れていたソヌも観念したのか、それとも力尽きたのか、大人しく殴られるがままになっている。
身を起こした梨花は息を呑んだ。
倒れたソヌの顔は至る所が蒼く鬱血して、唇や鼻から血が流れている。
その手が胸に巻いた布にかかったまさにその瞬間、凜とした声が危うい熱を孕んだ静寂を破った。
「何をしている!」
涙の滲んだ瞳に、こちらに向かって駆けてくる南斗の姿が見えた。
「貴様、自分が何をしでかしたか判っているのであろうな」
南斗の拳がソヌの頬に炸裂し、ソヌの巨体が後方に吹っ飛んだ。
しかし、南斗はそれで終わらせるつもりはないらしく、仰向けに倒れたソヌの上に跨り、更に二度、三度と頬を殴った。
最初は暴れていたソヌも観念したのか、それとも力尽きたのか、大人しく殴られるがままになっている。
身を起こした梨花は息を呑んだ。
倒れたソヌの顔は至る所が蒼く鬱血して、唇や鼻から血が流れている。