遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
梨花の頬はもう真っ赤だ。
「可愛い頬が熟した林檎のように真っ赤だぞ?」
その言葉に、彼女は両頬がますます熱くなるのを自覚する。
「どうせ私は変わり者です。世の中の大部分の女の人とは思考回路が違うんでしょう」
拗ねたように言うと、南斗がふいに真顔になった。
「怒るな、怒るな。私がそなたを見ていたのは、こうやって、そなたと一緒に毎日、朝を迎えられたならと思っていたからなのだ。いつも側にいて、そなたの笑顔を見ていたい。他には何も望まぬ」
南斗が両手をひろげた。
「おいで」
しかし、梨花は首を振る。ここが二人だけの場所ならばまだしも、屋敷内で南斗と抱き合っているところを他の者に見られたくない。
「可愛い頬が熟した林檎のように真っ赤だぞ?」
その言葉に、彼女は両頬がますます熱くなるのを自覚する。
「どうせ私は変わり者です。世の中の大部分の女の人とは思考回路が違うんでしょう」
拗ねたように言うと、南斗がふいに真顔になった。
「怒るな、怒るな。私がそなたを見ていたのは、こうやって、そなたと一緒に毎日、朝を迎えられたならと思っていたからなのだ。いつも側にいて、そなたの笑顔を見ていたい。他には何も望まぬ」
南斗が両手をひろげた。
「おいで」
しかし、梨花は首を振る。ここが二人だけの場所ならばまだしも、屋敷内で南斗と抱き合っているところを他の者に見られたくない。