遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
「私たちの想いが実るまで―」
南斗の言葉は、梨花には嬉しくもあり、彼の固い決意を改めて思い知らせるものでもあった。
「時間はかかるかもしれないが、必ず父上、母上を説得する。だから、そなたも途中で諦めたりしないで、私を待っていてくれるね」
大好きな男がこれだけ言葉を尽くしてくれるのに、梨花はまだ〝はい〟とは言えなかった。
「海棠」
南斗の手が梨花の頬にそっと触れる。
「そなたに婚約の証として贈ったのは、月(ムー)長石(ンストーン)というそうだ。この石は恋人たちを結びつけてくれるという言い伝えがあるそうだよ。この石をそなたにずっと持っていて貰いたいと願う私の気持ちを判って欲しいんだ」
二人だけの婚約の証。
梨花は南斗から贈られたノリゲを握りしめた。
南斗の言葉は、梨花には嬉しくもあり、彼の固い決意を改めて思い知らせるものでもあった。
「時間はかかるかもしれないが、必ず父上、母上を説得する。だから、そなたも途中で諦めたりしないで、私を待っていてくれるね」
大好きな男がこれだけ言葉を尽くしてくれるのに、梨花はまだ〝はい〟とは言えなかった。
「海棠」
南斗の手が梨花の頬にそっと触れる。
「そなたに婚約の証として贈ったのは、月(ムー)長石(ンストーン)というそうだ。この石は恋人たちを結びつけてくれるという言い伝えがあるそうだよ。この石をそなたにずっと持っていて貰いたいと願う私の気持ちを判って欲しいんだ」
二人だけの婚約の証。
梨花は南斗から贈られたノリゲを握りしめた。