遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第7章 哀しい現実
「あなたの言うとおりですな。私がここに来たのは、お嬢さまの過去を暴くためではありません。お嬢さまの兄君、ソンジュンさまが生きておいでになる―、その大切なことをお伝えするためです」
梨花の実兄が生きている!! ソルグクにとって、それは意外な事実でもあり、喜ばしい現実でもあった。
死んでいると思っていた兄が生きていると知れば、梨花はどれほど歓ぶことだろう。
「あの事件で助かった三人というのは、海棠、あなた、そして、兵判大監の若君だったと」
「そのとおりです。お嬢さまは、乳母がお連れてして逃げ、若さまは私がお連れして、ひそかに難を逃れました。ですが、乳母は、お嬢さまを連れて逃げる途中、刺客どもに斬られ絶命したのですよ。乳母もまた憐れなことをしました」
ジュソンは涙声で語った。
ソルグクは勢い込んだ。
梨花の実兄が生きている!! ソルグクにとって、それは意外な事実でもあり、喜ばしい現実でもあった。
死んでいると思っていた兄が生きていると知れば、梨花はどれほど歓ぶことだろう。
「あの事件で助かった三人というのは、海棠、あなた、そして、兵判大監の若君だったと」
「そのとおりです。お嬢さまは、乳母がお連れてして逃げ、若さまは私がお連れして、ひそかに難を逃れました。ですが、乳母は、お嬢さまを連れて逃げる途中、刺客どもに斬られ絶命したのですよ。乳母もまた憐れなことをしました」
ジュソンは涙声で語った。
ソルグクは勢い込んだ。