遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第7章 哀しい現実
骸がないという事実は、妹がどこかで生きているのではないかという一抹の可能性を示唆していた。
事件の夜、ソンジュンを助けるために寝所に来る途中、ジュソンは庭で妹の乳母と遭遇したという。その時、乳母は、
―これからお嬢さまをお連れてして逃げます。
と、はっきり語ったそうだ。
乳母と妹がその後、どうなったのかまでは判らないけれど、乳母は間違いなくお嬢さまを連れて逃げたはずだと、ジュソンは南斗に言った。
どこかで生きていると信じていたからこそ、妹のゆく方をたった一人で探し続けていたのだ。
しかし、妹らしい少女を見かけたという情報は一向に届かなかった。
事件の夜、ソンジュンを助けるために寝所に来る途中、ジュソンは庭で妹の乳母と遭遇したという。その時、乳母は、
―これからお嬢さまをお連れてして逃げます。
と、はっきり語ったそうだ。
乳母と妹がその後、どうなったのかまでは判らないけれど、乳母は間違いなくお嬢さまを連れて逃げたはずだと、ジュソンは南斗に言った。
どこかで生きていると信じていたからこそ、妹のゆく方をたった一人で探し続けていたのだ。
しかし、妹らしい少女を見かけたという情報は一向に届かなかった。