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遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~

第7章 哀しい現実

「そんなにあの娘が欲しいのなら、さっさと妾にすれば良いのです。正室としては迎えられませんが、側妾であれば、お父さまも敢えて反対はなさらないと思いますよ」
 母の声が遠くで響いている。
 何を言っているのだ、この人は。
 南斗はぼんやりと考える。
 惚れた女を妾になどできるはずがない。
 いや、それ以前に、その女と自分はけして結ばれない、いや、結ばれてはならない運命なのだ。

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