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　梨花は醒めた眼で、苦悶に喘ぐ三人の男を眺めた。
「たった今、あなたたちが何を呑んだか知りたいの？」
　少しだけ余裕を持たせた方が男たちにより恐怖を味あわせられると判っている。
　だから、わざとゆっくりと喋る。
「あれは私の持病の薬よ」
「持病の薬？」
　長身の男が息も絶え絶えに呟く。
「私はもっと小さい頃から持病の癪を持っているの。別に生命に拘わるような病ではないけれどね、発作が起きると、とても苦しいわ。お父上さまもお母上さまも心配して、いつも薬を持っているように言われていたの。その薬をほんの少し呑むと、不思議に差し込みが嘘のように治まるのよ。でも、これは怖ろしい薬でもある。少量なら癪を鎮める特効薬なのに、一度に大量取ると、猛毒になるそうよ。おじさんたちが呑んだのは、その薬」