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「おじさんの娘さんも私くらいなの？」
　無邪気に訊ねると、男は何度も頷く。
「ああ、お前なんかの脚許にも寄れねえほどの不器量な娘さ。大方、嬶ァに似たんだろうて」
「それを言うなら、お前の方に似たんだろう」
　揶揄するように言うミンスの杯にもう一杯注ぎ、更に、まだ腑に落ちぬ顔の小男の杯にも素早く二杯目を注ぐ。
　最初に異変が起こったのは、ミンスだった。
　機嫌良く新顔と喋っていたミンスが突如として胸を押さえ、立ち上がったのだ。
　続いて嫌らしげに梨花の頬を撫で回していた男も〝うっ〟と呻き、その場に転がった。二人共に口から血を溢れさせ、海老のように背を丸めのたうち回る。
「お前、一体、俺たちに何を呑ませ―」
　顔色を変えて詰め寄ってきた小柄な男が一歩手前でよろけ、そのまま地面にうずくまった。