遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第2章 転生
この世にも残酷で不可解な事件によって、屋敷の者全員が生命を落としたが、ただ、当主夫妻の二人の子どもたちと下男の一人のゆく方だけが杳として知れなかった。
役人が隈なく調べ回ってみても、屋敷のどこからも子どもの骸は発見されず、その後も、林家の子息と令嬢らしい子どもの亡骸は見つかってはいない。しかし、死体が出なかったからといって、二人の子どもたちが生きていると言い切れるものでもなかった。
何故なら、嫡男のソンジュンは既に十三歳に達しており、万が一にも生き存えていたならば、必ず両親の無念を晴らそうと名乗り出てくるに違いなかったからだ。それがいつまで経っても名乗り出てこなかったというのは、やはり既に亡くなっているとしか思えないというのが役所の見方だった。
まだ幼い下の娘に至っては、兄よりも更に生存の可能性は低いといえた。結局、兵曹判書の忘れ形見二人もまた非業の死を遂げた―と役所ではそのように結論づけられた。
役人が隈なく調べ回ってみても、屋敷のどこからも子どもの骸は発見されず、その後も、林家の子息と令嬢らしい子どもの亡骸は見つかってはいない。しかし、死体が出なかったからといって、二人の子どもたちが生きていると言い切れるものでもなかった。
何故なら、嫡男のソンジュンは既に十三歳に達しており、万が一にも生き存えていたならば、必ず両親の無念を晴らそうと名乗り出てくるに違いなかったからだ。それがいつまで経っても名乗り出てこなかったというのは、やはり既に亡くなっているとしか思えないというのが役所の見方だった。
まだ幼い下の娘に至っては、兄よりも更に生存の可能性は低いといえた。結局、兵曹判書の忘れ形見二人もまた非業の死を遂げた―と役所ではそのように結論づけられた。