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壁一枚 2nd

第12章 暗闇に隠れて



美緒「先生、早く早く」

孝志「はいはい」


館内に入ると
映画はすでに始まっていた
二人は周りの人の邪魔にならないよう
一番後ろの席に座り
映画を
見始めた


美緒「…」

孝志「…」

美緒「…かっこいい」

孝志「この俳優?」

美緒「えっ!?あぁ…うん」


思わず
言葉にしてしまったが
美緒が見ていたのはスクリーンに映る
俳優ではなく横に座っている
孝志の姿だった


美緒「…」


孝志の姿を見て
かっこいいな、素敵だな
なんて思う事は過去にも何度かあったが
薄暗い映画の中で見る孝志の横顔は
いつもより
かっこよく素敵に見え美緒の胸は
ドキドキしていた


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