壁一枚 2nd
第19章 記憶喪失
医者「外傷は打撲程度ですし心配する事
はないでしょう、脳も特に異常はありま
せんし時間が経てば少しずつ記憶が戻る
と思われます」
明子「ありがとうございます」
孝志「…」
美緒「…」
事故の影響か
孝志は一時的に記憶を失っていた
全ての記憶ではなかったが
大学卒業から今日まで、その間の全ての
記憶を失っていた
美緒「…」
由美子「美緒…大丈夫?」
美緒「大丈夫だよ」
由美子「…」
落ち込んでなどいられなかった
例え孝志が自分の事を
自分と過ごした大切な時間を覚えていな
くても
例え目の前で…
明子「孝志、タクシー呼んだから」
孝志「ありがとう」
美緒「…」
明子と親しく話していたとしても…