テキストサイズ

359°

第4章 葛藤と友情


《拓哉side》


「拓哉ってサドだよなぁ」


シュボッ、と龍はジッポから揺れる炎をタバコの先に近づけた。
ひとくち吸うと唇から、白い煙が空に向かって真っ直ぐ伸びる。


「自分と同じ声をしたボーカルの歌を聴いたら、あいつ泣くぜ?」


龍はフッと苦笑した。


「…龍、何度言ったらわかる?この車、禁煙なんだけど」


俺は不機嫌に、ハンドルを回した。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ