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「…俺はもう、誰も好きにならないよ」


身を削るような恋愛はもうしたくない。
大切な人を失った時の悲しみは、もう味わいたくないんだ。


その時ちょうど、龍の携帯が鳴った。


「うぇ、キミイだわ」


龍は苦い顔をしながら電話に出る。
キミイとは、龍の奥さんのことだ。


「あ～うん…わかった」


だるそうに話すと、龍は携帯を切った。