
359°
第5章 甘い香りとしょっぱいキス
放課後。
オレと木下は、会議室に向かっていた。
あれからクラスで出し物を決めていたわけだが…
「すごいよね、圧倒的だったよね」
「なんでケーキ屋ごり押しなんだよ」
オレは「はあ~」とため息をついた。
多数決の結果…
オレら2年1組の出し物は、洋菓子店『アリスの森』と一緒に喫茶をすることに決まった。
あ、『アリスの森』って、あの金髪兄ちゃんが働いてる店な。
「でも他のクラスとダブるかもしれないから、まだわからないけどね…」
「!」
キランッとオレの目が光った。
