
359°
第5章 甘い香りとしょっぱいキス
「菅生…さん」
「龍でいいよ♪」
「菅生さん」
「…」
オレは菅生さんを睨みつけた。
(金髪兄ちゃんはそろそろやめとくわw)
「な~んか卓也くん、機嫌悪いねぇ?」
そう言いながら、菅生さんは木下に笑いかけた。
木下は複雑な表情を浮かべている。
「ああ、こいつ、すぐ怒るんで気にしない方がいいっすよ」
順平が菅生さんに耳打ちした。
「君、卓也のツレ?」
「はい、中学からのツレっす」
「じゃあさ、君からも言ってやって?
卓也にボーカルやりなよって」
菅生さんの言葉に、場が一瞬止まった。
