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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


あーなんかイライラする…
お遊びなら、誰がボーカルになってもいいのかよ…


ちくしょ…




「坂本くん、今日はもう帰ろうよ」


オレが俯いてると、木下が話しかけてきた。


「なんか、話進まないし…」

「…ん、そだな」



木下だけだ…
オレを気にかけてくれるのは…



オレと木下は席を立った。


「あ、打ち合わせしねーのか?」

菅生さんはシレッと言う。


「…また明日来ます」


黙って去るオレの代わりに、木下が言った。



「はい、じゃあまた明日~」


菅生さんの呑気な声が聞こえた。


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