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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


《卓也side》

木下と別れた後、オレはまっすぐ家に帰った。
あれからずっとムシャクシャしたままだ。
自分の部屋に入り鞄を放り投げ、ベッドに寝ころぶ。



正直、順平が羨ましかった。
ボーカルやりたいって素直に言えて…


オレだって本当は…



「あ~クソッ…」



オレはガバッと起き上がって、姉ちゃんの部屋に向かった。
ノックするが、返事はない。
しめしめと思い、部屋の中に入った。
椅子に座り、パソコンを立ち上げる。
インターネットで『HIT IN THE USA』と検索してみた。



「…いっぱいあるじゃん…」



YouTubeの動画がいっぱい出てきた。
どの動画も、なぜか人物の顔が四角いお面で隠れてる。



「…んだ、これ…」



プッと吹いた。
お面の紙には、それぞれの本人の顔が描かれていた。

ライブバージョンは合成だなw



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