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第5章 甘い香りとしょっぱいキス



「な、木下ちゃんも卓也の歌聴きたいよな?」


「う、うん///」


木下の期待の眼差しが、オレに突き刺さる。



「だから、順平が曲変えれば…」

「卓也ぁ!」



オレの言葉を遮って、菅生さんがオレの名を呼んだ。




「歌ってみる?」




菅生さんはスティックを持ちながら、ニヤリと笑った。



ここで「ハイ」と言えば、まるで期待してたかのように思われる。
それもオレのプライドが許さない…


だけど…




「…いいですよ、一回だけ」




オレは好奇心に負けた。



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