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第5章 甘い香りとしょっぱいキス



ーーそして文化祭前日。


オレと木下は駅で待ち合わせると、アリスの森に向かった。



「いよいよ明日だね」

「あぁ、やっと解放される…」



オレはコキコキと首を鳴らした。

文化祭実行委員がこんなに大変だとは思わなかったぜ…
来年はもうぜってぇーやらないからなwww



「結局、坂本くんは歌わないんだね」

「ああ…うん…」




あの時スタジオで『HIT IN THE USA』を熱唱したオレ。
みんなとの息はピッタリだった。
これなら優勝もいける、って正直思った。

だけどオレは断った。
順平が自分から言い出したことを、オレが横から奪うわけにはいかないから。



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