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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


店の裏の駐車場に行くと、一台の黒い車が停まっていた。



「これ、なんていう車ですか?」

「ダイハツのタントだよ」

「へ~…ロックやってる人は、もっといかついの乗ってるかと思った」

「スポーツカー系とか?」

「そうそう!」


高藤さんはクスッと笑った。


「まぁ昔は…ロードスターに乗ってたけどね。あ、乗って」


そう言われ、オレは助手席に座った。
中は広々としていて、また高藤さんと同じ香りがした。

エンジンがかかると、オーディオが青く光った。


「家、どこ?」


住所を告げると、高藤さんはカーナビにオレの住所を登録した。

車は静かに走り出す。



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