
359°
第6章 熱意と決意
終わった後も、歓声は鳴り止まない。
《ありがとうございましたー!R&Mで、曲名はUFOのロックボトムでしたー!!素敵な演奏ありがとうございましたぁー!!》
興奮気味に司会者が紹介する中、
「マサー!!」
「マサ、サインしてー!!」
思わぬサプライズに興奮した観客らが、ステージに向かって波のように押し寄せた。
急遽スタッフの人たちが必死にガードする。
会場は半パニック状態だ。
「ふふっ…やっぱりこうなるわよねぇ、サプライズ好きのマサらしいわ」
楽しそうに、だけど半分呆れたように、隣でキミイさんが呟いた。
「…キミイさんも、マサさんと知り合いなんですか?」
「うん、マサがまだREAL AND GLAYにいた頃にね、龍ちゃんと出会ったの」
「へぇ…」
…てことは、ユキさんのことも知ってるんだよな…
「あ、卓也くんの声、元ボーカルのユキの声に似てるね」
「…っ」
やっぱり、そうきたか…
オレはがっくりと肩を落とした。
