359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
「「かんぱ~い!」」
カチン、といくつものグラスが合わさった。
「あっ…」
勢いよくグラスをぶつけられ、オレのグラスに入ってた烏龍茶が少しこぼれてしまう。
「大丈夫?」
隣に座っている木下が、おしぼりでテーブルを拭いてくれた。
「ありがと」
オレはニコッと笑い、烏龍茶を一口飲んだ。
あれからオレたちは、先に教室の後片付けを済ませた後、結果発表を聞きに行った。
結果は…見事、【REAL AND GLAY】が最優秀賞を勝ち取った。
理由は、一番客がノれてたから。
あのハンドクラップが良かったみたいだ。
選曲した順平に感謝だなw
マサが参加した【R&M】は、プロのミュージシャンが参加してたってことで、無効になった。
他のバンドマンから相当抗議があったらしいw
「まぁ、でも望み通り最優秀賞取れたから良かったな、順平」
菅生さんがなぜか順平に向かってそう言った。
「はいっ、マジで感謝ですwww」
順平はニヤニヤしながら、テーブルの上に並べられた料理をつまむ。
「なんでお前が感謝すんだよ」
何か怪しい…と思い、オレは順平に詰め寄った。
「あれ、言ってなかったっけ?卓也にボーカル譲る代わりに、最優秀賞取れたら、ディズニーランド招待券をオレにくれるって話」
「はあっ!?聞いてねーぞ!?」
オレは大声を上げた。
相変わらずうるさかったみたいで、周りの人たちに睨まれる。
あ…オレたち、今居酒屋で打ち上げ中ですw
(もちろん一旦帰って私服に着替えてから)