359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
これって、ユキ…?
前のボーカルのユキのこと、なのか?
「お待たせ、卓也く…」
高藤さんがオレが持ってるCDを見て、ハッと驚く。
その表情を見て、やっぱりユキのことなのだとオレは察知した。
「これ…何の曲が入ってるんですか?」
「…」
少し複雑そうに微笑む高藤さん。
なんだかそれが余計気になって、オレはそのCDを高藤さんの前に差し出した。
「聴いてみて、いいですか?」
オレ自身、なんでこんなに気になるのかわからない。
だけどなんだかモヤモヤして仕方なかった。