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第8章 過去と現在


アパートに帰ってくると、部屋の電気がついていた。



「…ただいまー」

「あ、おかえり、龍ちゃん」



キミイが笑顔で迎えてくれる。
少し動物臭いニオイがした。
リビングにはうさぎ用のケージが置かれており、その中には卓也の学校の文化祭で買った黒うさぎが入っている。



「お、ウサ之助、ついにきたな」

「龍ちゃん、この子メスよ?」

「メス?んじゃあ~、ももウサ」

「ももウサ?」

「ももクロから取ったんだよ」

「え~、龍ちゃん…いつの間にアイドル好きになったのよ…」

「かわいいじゃん、キャピキャピしてて」



俺は金髪の混じった黒うさぎの頭を、優しく撫でた。




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