
359°
第8章 過去と現在
寂しがり屋のキミイを…
よろしく頼むな…
俺は心の中でそう呟いた。
「今時キャピキャピなんて言わないわよ」
「はは…。あ、明日からまた、忙しくなるからよ」
「あ、うん…わかった」
俺の言葉で、キミイの表情が少し曇る。
「…ごめんな?」
「大丈夫よ、ももウサちゃんがいるから」
「…」
キミイがうさぎを買うと決めた時、覚悟を決めてくれたんだってわかった。
プロを目指すからには、一分一秒でも練習に費やしたい。
スタジオ代もバカにならないから、仕事も増やすつもりでいる。
ほんとなら、家族、欲しいよな…。
