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キレーな顔した狼さん。

第13章 10匹目

なんで瑠花がここに……?

リムジンの前で大きく手を降る瑠花に俺は不信感しか抱けない

「なんでお前がここに…っ」

「…っ!?」

瑠樹も同じことを思っていたようだが、俺はそっちじゃなくて…瑠樹の今の表情に驚きを隠せなかった

俺は、初めて…初めて瑠樹のこんな困惑し、驚いた表情を見た

「お兄ちゃん…」

瑠花はゆっくりと歩きながら俺達の方へ来ると、少し顔を険しくさせた

「お兄ちゃん…まだ汐里さんと一緒に居たんだ…?」

ズキ…

瑠花のその言葉に…表情に俺の胸が痛む音がする

何で瑠花がそんな顔でそんな事を…?

「煩い、お前には関係ないだろ」

「んっ…で、でも…っ」

「黙れと言っている。…俺の質問にだけ答えろ。何でお前がここに居る?」

瑠樹の言葉に一層顔を険しくさせる瑠花

瑠樹の顔からは表情が消えて、読み取れない

いや…もし読み取れても、そこには"怒り"しか無いだろう

「それは…お兄ちゃんを家へ連れて帰らなきゃいけないからよ」

「はっ…何を今更…」

家?今更?

2人の会話についていけず、疑問ばかりが俺の頭へ次々と浮かぶ

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