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キレーな顔した狼さん。

第13章 10匹目

俺の頭は更に混乱して…訳が解らない

「汐里…ごめん。俺ちょっと、行ってくるわ」

「…え?」

「じゃ、また連絡する。…バイバイ…」

「あ……」

「汐里さん、さようなら。また…」

瑠樹は瑠花の後に続いて歩いていく

待って……行かないで…瑠樹…

俺は必死に、瑠樹の後ろ姿に手を伸ばして…心の中で呼び止める事しかできない。

自分は無力で…好きな人1人、大声で呼び止める事ができない……

どうしてだ?なんでだ?

自分に疑問をぶつける事しかできない

「くっそ……っ」

地面を蹴る
今の俺には、こんな些細な八つ当たりしかできなかった

「何だよ、今更って…何だよ、家の事って…誰だよ……あの人って…」

俺は何も知らない。
何も…解らない。

ふと、「ホントは私が隣に居るはずだったのに…ホントは私の…」なんて言う瑠花の声が聞こえた気がして顔をあげると…

2人の後ろ姿はもう既に小さくなっていた

「ハハッ…これからどーしろっつーんだよ……」

只今の時刻…7時01分。
親が帰って来るまで
あと、0時間59分。

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