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キレーな顔した狼さん。

第8章 6匹目

「おいっ!ごらぁっ!」

「……え?」

「にーちゃんよ?何してくれるんじゃ?ぼけぇっ!」

「いや、あの…俺には何の事だか…
…さっぱり…」

「あ"あっ!?とぼけんなやっこらぁっ!それじゃぁ、何でソイツといるんだよぉ!?」

青空の下…どっから見てもヤ〇ザにしか見えない怖い方々3人組の真ん中の奴が俺に…
…紛れも無い、斉藤汐里に向かって怒鳴っている

そして横には、ソイツと呼ばれる女が
涙を流し、俺の腕に自分の腕を絡ませていた…

「………え?」

ーーーーー事件1時間前ーーーーー

俺は今日、機嫌がいい…
…何故なら、今日は…待ちに待った!!
瑠樹とのデートだからだ!!

…昨日の事は、まぁ…また今度話すとして、今日はイッパイ楽しもうっ

朝の10時、俺と瑠樹は準備を終えて家を出た

朝、親からは夜の8時頃に家につくと連絡があった

だから、それまでは瑠樹といれるっつーことだ!

「ふっふっふふふーん」

満面の笑みで鼻歌を歌う俺は、
端から見たら完全に可笑しな人だろう

そんな俺に瑠樹は微笑みを向けて聞いて来た

「汐里?そんなに嬉しいの?」

「あったりまえだ!…お前は嬉しく無いのかよっ」

何だか俺ばかりテンション高めな気がしてしまって、少し…ほんの少しだけ、
拗ねながら聞き返す

「フフ……嬉しいよ…嬉しいに決まってる」

「そ、そか…//」

自分で聞いたのに、瑠樹の言葉が、瑠樹の笑顔が、何だか嬉しくて恥ずかしくて…つい、照れながら下を向いてしまった

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