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キレーな顔した狼さん。

第9章 5.5匹目


俺をからかってるっつーことは
どうやら瑠樹は洗い終わったらしい

ぼーっと見つめ過ぎて瑠樹が洗い終わった事に気付かないって…どんだけだよ…

軽く自分に突っ込みを入れつつ
次は俺の番かと立ち上がろうとする

「汐里はそのままでいーよ」

「ん?」

けど、瑠樹の言葉でストップ

「俺が洗うから」

「え?何で??」

「練習のため、かな」

「なんの?」

「ま、いいじゃん?」

「?」

「じゃ、濡らすよー」


瑠樹はシャワー片手に一言俺に声を掛けた

ジャーっ

そして、次に来たのは暖かいお湯の感覚

それが途切れシャンプーの香りが広がる

ワシャワシャワシャワシャ

「ど?きもちー?」

「ん…」

うちで人に洗ってもらうのは何年振りだろう

何だか昔を思い出して懐かしくなる

「そ?良かった…じゃ、流すよ?」

ジャー……

ーーーーーーー

「よしっ!終わりっ」

「じゃ、先あがるから、瑠樹はつかってからこいよ」

頭、身体、顔…全部洗い終わってサッパリした俺は先に上がろうと扉に向かう

ガシッ
「うわぁ」

すると、後ろから手をつかまれた

「なんだよ?危ねーだろ!」

「汐里が先にあがろーとするからだろっ」

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