テキストサイズ

キレーな顔した狼さん。

第11章 8匹目

「さぁ~てとっ…汐里?そろそろ行きたいとこ、決まった?」

首を傾げて俺の顔を覗き込む瑠樹。

こんな仕草にでさえ、死ぬほどキュンキュンくる俺って一体……

改めて瑠樹へのハマり度を実感する

「え、えと…」

自分の思考に戸惑いながら曖昧に返事をした

「ったく…まだ決まらないの?」

不服そうな瑠樹の返事に、慌てて思考を"行きたいところ"に戻す

行きたいとこ…ね

「ん~…だってさぁー、行きたいところ有りすぎて…何処にすっか…」

映画?ショッピング?最近できた近くの遊園地?あっ、でもゲーセンっつーのも…

ムムっ…と、眉間に皺を寄せて首を捻る俺

そんな俺に何故か瑠樹は嬉しそうだ

何処に向かうでも無く、とりあえず歩いていると…

「あのぉ~、そこのお兄さん方っ」

なんて声が、通りすぎようとした店の前から聞こえてきた

「え?俺らのことっすか?」

いきなり声を掛けられたもんだから
少しビックリして疑問系で返してしまった

「はいっ!そーですよぉ!!」

「な、なんでしょう…?」

異様に高いテンションにちょっと押され気味な俺

そんな俺に、メイド服の可愛い気なお姉さんはニッコリスマイルで言葉を返す

「今、お時間あったりします??」

「え…」

「有りますよね!」

「え、いや…」

「学生さんですか?いや、そーですよね!」

「やっ…はぁ、まぁ…」

「やっぱりぃ~っ」

俺の話など聞く耳持たずにどんどん話を進められる

「いまぁ~、ちょっとだけバイトさん探してましてぇ~」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ