美人妻は性欲旺盛っ!
第8章 アルバイト
ぐちゃぐちゃな顔
エロくない顔
わけもなく泣いてしまい
こんなの
ゆきくんを萎えさせる
独りよがりの骨頂だ
そんな女が好かれるわけない
「右京…右京?
好きだよ
ちゃんと感じてる?」
こくこくこく
私は歪んだ顔で頷く
何度も、何度も、何度も
伝えたかった
今私が
どれくらい
悦びの中にいるのかを
深い快感で
全身が性感帯だった
絶頂とは違うのに
ゆっくりゆっくり飛ぶ
どこか触られるたびに
女に生まれてよかったと思う
(からだが悦んでる…
女でよかったって…
大好きな人とひとつに…ひとつに…
…好き…好き…好きッ)
今からでも遅くない
いやらしい私に戻ろう
そう思えば思うほど
どつぼにハマっていく
ゆきくんが動くたびに
気持ちよくて気持ちよくて
幸せで泣きそうになってしまう
「持たねぇ…ごめん右京…」
ドクッ、ドクッ…
体内にゆきくんのが
熱く熱くほとばしる
「ゆき、くん…
ゆきくん…ゆきくん…っ」
「あっ…あ…はぁっ…
右京…」
気が遠くなりそうな
得がたい幸福感に包まれる
反面切なくなる
どうしようもなく好きだから
離れる事が怖い
この人に愛されてたい
繋ぎ止めておきたい
どうしたらいいんだろう
わからなくて泣きたくなる
好きが溢れると
そればかりを――考える