美人妻は性欲旺盛っ!
第10章 元カレ
「あの」
「えっ?」
肩を叩かれた男が振り返る
「どこかで会ったコトありますか?」
私はニコニコ微笑んで聞く
男は疑問に感じながら
私を見て考え始めた
いやいや初対面です
あるわけがない
とりあえず数秒でもいい
女は笑顔
そこを見せれれば
いいなって印象を与える
「や、ごめん人違いじゃないかな」
「うーんそうですか
じゃ、お茶しませんか?」
「はぁ?」
「ちょっとこの女誰よ?」
彼女さんが痺れを切らして
不信感をあらわにする
私はとりあえず簡潔に聞く
「駄目ですか?」
「駄目って…
そりゃ…
駄目に決まってるよ」
悩んだりしたら駄目だよ彼氏
女の子って意外と
視線を気にするものだよ
どこ見てんの
「お話、どうしてもダメですか?」
「なに?しつこいんだけど
てかなんなの、きみ?」
「じゃあいいです
お邪魔してごめんなさい」
脈ありだったけど
さすがに彼女さんの手前じゃ
無理があったかな
私は少し離れる
後ろのほうで
痴話喧嘩が聞こえてくる
あー…揉めちゃった
駄目だよ彼女さん
男はそういう生き物なんだから
基本的に視覚で
女を吟味するんだから
怒ったって変わらないよ
ほんのちょっと揺れたくらいで
あれこれ言われたら
彼だってたまったもんじゃないよ
私はくすくす笑いながら
次の男に話しかける
その人は電話していた