美人妻は性欲旺盛っ!
第10章 元カレ
シャワーを終え
なんとなく気まずい
雰囲気の中
私たちは服を着る
「…私、帰るけど」
「…あぁ、俺も」
言葉にならない
後味の悪い罪悪感
私は自ら望んだから
ある程度割り切れてるけど
衝動的に元カノと寝た
しょうくんは
深く苛まれてるだろう
今カノに顔向けできない
話すか話さないべきか
話して許されるのか
隠し通すか
性欲は簡単に
理性から理を剥ぎ取る
欲望の前では
好き、なんて消し飛ぶ
三大欲を舐めるな
って感じだ
自分を見失う
淫らになる
嫌なのに感じる
過ちを犯す間違いを犯す
それさえも興奮し
衝動に突き動かされる
自分がいかに淫欲なのか…
それって普通だ
そこに男も女もない
食欲だってそう
性欲だって満たされれば
幸せなのだ
誠実なしょうくんは暗い
今カノに対して
申し訳なく思っているんだろう
最中は忘れてたくせに
終わってから悪いと罪悪感を抱く
都合のいい…
私だって申し訳なく思っている
でも私は
ゆきくんに見られてる事
を想定して抱かれてた
片時も忘れていない
私は全部ゆきくんに見していた
当たり前だ
だって私とゆきくんは
パートナーなのだからっ!
「…あの、さ」
「…なに?」
「…なんでもない」
「…そう。じゃ…」
「…ああ…」
結局大して会話もないまま
その日はそれで別れた