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美人妻は性欲旺盛っ!

第15章 バイト先の…





 二人はそういう関係なんだ
 禁断…
 兄妹で愛する関係…



 理解はしたものの驚きで声も出せない

 不思議と変とは思わなかった
 むしろ納得したくらいだ

 夫婦と同じで仲がいいのは肉体関係があるからなのだろう

 私はそれを軽蔑と取らず
 素敵だと思った



 キスの合間にひそひそと話す二人の囁きが耳に届く



「…どうしたの?お兄ちゃん」

「浅葉さんに誘惑された」

「え、本当?」



 切れ長で黒く力強い瞳が私を見据えた



 戦う勇気があるなら…って…
 これ、と…戦うとか…



 璃乃さんが私の前に立つ
 凛々しく、圧倒される



「お兄ちゃんがほしい?
私と戦う?
負けないよ、私は」

「あ、いや…その…
別に戦うとか…そんな…
ただ寝顔がかわいかったので
ちょっと悪戯しただけで…」



 奥で峰斗さんが笑ってる



 だって仕方ないじゃん!すべからく強いものには巻かれろだよ!



 腰に手を当てて快活に笑う璃乃さんを見て勝てる気がしなかった

 きっと多分この人はどんなライバルが現れてもこうなのだ

 だって兄妹なのだ
 道徳に背き、法律に背き、大人になっても異性として愛し合う



 そんな冗談を現実にしてる



 兄の隣の女の座

 今までも戦って勝ち取り、これからもその座を勝ち取るつもりなのだ



 そんな人に勝てるわけなかった

 覚悟が違う
 ましてや本気でもないのに
 私なんかが奪えるわけなかった

 尻尾を巻いて諦めようと思った



「よかった
お店の貴重な戦力だからね
右京ちゃんとは戦いたくないよ
でも悪戯って何したの?」



 私は答えに窮した
 でも言わないと余計問い詰められそうな雰囲気だった



「ちょこっとほっぺにちゅーを…」



 ピクッ
 妹の耳が立つ

 それはそれは恐ろしかった

 武術の締め技を食らい私は十回くらい連続でタップした



 私が降参するとなんの罰なのか
 璃乃さんの柔らかいぷるっとした唇がほっぺに触れ、数え切れないくらいちゅーをされた

 柔らかくて気持ちいい…

 と思ったら口にもされた



 女性同士?
 目が点になった



「お兄ちゃんは駄目だけど
私とならいいよ」





 私はよくない!



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