美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
「見た、今の顔?
傷ついてたね、ゆきちゃん」
藍さんは嬉しそうだった
「いいな、羨ましいな
初めて見たよ
ゆきちゃんがマジへこみするの
なにあの顔、かわいい
拗ねて、むかついて
逃げたよ、情けな、あはっ」
藍さんは声を出して笑った
「いいな、羨ましい
私じゃ、ああはならないよ
私に彼氏ができても
彼氏とエッチしてきても
ゆきちゃんはね
よかったなって喜ぶんだよ
上手くいくといいなって
心から言ってくれるよ
私はホントは妬いてほしいのに」
彼氏できて、手放しで頭をよしよしされたら、ああ私じゃ本気になってくれないんだなって思う、と藍さんは少し寂しそうに言った
だからああして傷つける事ができる私が羨ましい、とも
「いいな、愛されてて
本気で、余裕なくて、落ちて
簡単に傷ついて、へこんだりして
あんな見た事がない顔
真っ赤だよ?
悔しくて、逃げ出して
ああ、やだな、かわいい
すごくかわいい
エッチしたいな
してあげたい
いっぱいしてあげたい」
藍さんが私を見た
私はすごくムッとした
藍さんがわざと先輩を傷つけたのだと知って、私はどうしようもなく腹立たしくてむかついた
身のほど知らずにも私は藍さんに怒りの視線を浴びせ、喧嘩を売った
なぜかはわからないけど
とにかくムカムカして睨んだ
「帰るって言ったけど
多分帰ってないよ
様子、見に行く?」
「えっ?」
「私は慰めに行くけど
あなたはどうする?
ついてくるのはいいよ
でも、あなた、自分の立場
わかってる?
あなたにそんな資格ある?
彼氏いるんでしょ?
彼氏いる女がきたって
迷惑なだけじゃない?
余計、苦しめるだけだよ」