美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
その日から先輩は変わった
朝礼があったある日
先輩は壇上を乗っ取った
差し押さえる先生たちをものともせずマイクに向かった
一切の恥じらいもなかった
「1-2片倉右京
お前が好きだ
球技大会…
俺はお前のために全力で優勝する」
朝礼の全校生徒を前に先輩の声がマイクから届いた
あの時見たような爛々と輝く先輩の瞳が私を見つけて射抜く
しんと静まり返ったあと、ざわめきとどよめきが起こり、公衆面前での愛の告白にキャーと歓声が湧いた
退屈な朝礼は一変し、生徒は興奮したように先輩の話で持ちきりで、あれは三年の浅葉先輩だよと騒いだ
先輩は数人の教師に押さえられ連れて行かれる
私は僅かに頬が熱くなっていた
あの人に見られると
私はドキドキしてしまった
向こう見ずで何も恐れなくて
奔放で、大胆で
先輩は謙遜するけど
あらゆる物を持った人
何ものにも縛られない
度胸も頭脳も運動神経もあって
自由に本能に生きる人
あの人には敵わない
壇上で私を見て
笑うような人に、私は
とても敵わない
人にはできない事を軽々とやってのけてしまう先輩に、人の意見に流される自分もあんな風になりたいとたまらなく魅力を感じてしまった