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美人妻は性欲旺盛っ!

第21章 背水







「泣いちゃえば?
なんで我慢してるの?」



「…っ今…
泣いたりしたら…
全部終わりだから…です…」



「終わったんじゃないの?
多分むりだと思うけど」



「終わって…ません
まだ何も…何も…」



「みっともないよ
諦めたら?

今まで難癖つけてたけど
あんたかなりイイ女なんだから
探せばイイ男
捕まえられると思うわよ?」





 そんなのどうでもよかった





「みっともなくていいです…
どんなに不格好でも

なんと言われようが
私はゆきくんがいいんです…
あの人が好きなんです…
あの人と一緒にいたいんです!

それ以外いらない!

ほしくない!

絶対、別れない!!

拒絶されるのなんか当たり前です
離婚されるのも当たり前です

でも……嫌だ!!

何度でも言います

嫌っ!別れたくない!」





 私はみっともなく喚く
 けれど瞳には決意が宿っていた





「沙緒里さんが敵でも
私、引き下がりませんよ…

戦います、一人でも

今まで何もしてこなかった私が
してもらうだけだった私が…

きっと今、返す番なんです

他の女じゃむりです
ゆきくんを幸せにするのは
私なんです

私にしかできません

あの人が好きになった女は
ここで引くような女じゃない!

誰が
誰が…
誰が……っ
誰が別れるか!!

ゆきくんと離婚するくらいなら
死んだほうがマシだ!!あの人がいなきゃ私は生きられない!!」










 私は慟哭し、吠えた







 …そういえば私は激情家だった

 以前にもこんな、似つかわしくない激情を浅葉幸人という先輩に吐き出した事がある



 そんな私を見て
 まっすぐ見つめて

 ゆきくんは笑い
 私の激しい部分でさえ

 すげーなと誉めてくれた



 こんな気性の荒い女を

 あの人は認めてくれた



 好きだと言ってくれたんだ…





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