美人妻は性欲旺盛っ!
第22章 浅葉幸人
「…ね、聞いた?浅葉サン、奥さんに浮気されたんだって」
「それホントなの?」
「ホントらしいよ」
「それで今
別居状態なんだって」
「え~かわいそ~
てかさ、サイアクだよねー」
社内で随分噂になっていた
何も考えたくなかったゆきはどうでもいいと割り切り、仕事に没頭して頭の中から追い出していた
それでも気づけば考えているのは右京の事ばかりだった
「あのさ
うちの奥さんを悪く言うの
やめてくれない?」
バカかと自分を思う
蜘蛛の子を散らすように女性社員が各々の業務に戻った
そんなに怖い顔してたかと思いながらゆきはそれをぼーっと眺め、チラチラこちらを見てくる何人かと子たちをじっくりと見た
いずれも美人で顔がよく、カラダつきのほうも申し分ない
抱いたら柔らかそうで蜜の味も見た目以上に濃厚さを秘めていそうだ
彼女らはゆきが見つめてるのを何度もちらりと窺い、赤くなって目を逸らす事を繰り返していた
ゆきが受けたショックはそれこそ計り知れなかった
自分の知らない所で元カレと繋がっていた事も、その元カレとカラダの関係を築いていた事も、そうしておいて平然と自分に笑顔を向けている事も
児童のように愛らしく、慈母のように愛情が深く、元気でスケベで時折激しい大事な大事な女性……妻
何が嘘で何が本当なのか
わからなくなったのだ
右京が信じられない
ゆきはショックで自分がどうしたいかもわからなかった
たとえばあそこの若くてかわいくて気のいい細井さんを、飲みに誘ってホテルに連れ込んで優しく優しく足を開かせてスケベにさせてあげて