美人妻は性欲旺盛っ!
第22章 浅葉幸人
股の間に根元まで全部挿し込んで夢中にさせてやり、それを一部始終ビデオに収めて右京に見せれば、何か変わるのだろうか
ゆきの胸は鉛がつっかえたように重く苦しいのが消えない
ただ、なぜそう思うのか
ゆきは残念だと思った
好きな子にもう好きじゃないよと言われる時はきっとこういう気持ちなのだと思った
自分がどれほど好きでいても
相手が好きでいるとは限らない
ゆきはそうかと思った
ゆきにとっては簡単な事でも
右京もそうとは限らない
ゆきにとって右京を愛し続けるのは当たり前でも、右京にとっては当たり前でもなんでもないのかもしれない
(こうやって冷静に論理的に考えてなきゃバランスを保てないとか…俺そーとーキてんだな)
そもそも右京は望月翔吾があんなに好きだったのだ
ゆきはよく知っていた
戻れるなら戻りたいと思うのが自然な事だった
あんなビデオを当てつけに送ってくる所から考えても、露骨な攻撃なのは火を見るより明らかだ
いつかは――
壁に寄りかかる
こぼれそうになる雫をこらえて天井を見上げる
ゆきには、いつかは、こんな日がくると予感していた
右京は望月翔吾にフられたから自分と付き合ってくれたのである
だからアレが現れた時の事をずっと恐れていた
右京は元気で自由で、お金や地位ではとても縛れない
たとえ結婚してようが、自分より好きな男が現れれば、確実に直談判してくるようなまっすぐな女だ
ゆきは右京が本当は自分より強い事をよく知っている
「ふ…っ……ぅ…」
一緒にいたくなかった
いつ別れ話を持ちかけられるか考えただけで怖くなり、一緒にいる事でその可能性が高くなる気がして、自分には耐えられなくて距離を置いた
「ちょぉ!?
先輩先輩浅葉先輩!
喫煙所行きましょう!」