喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第5章 体も心も奪われて
だから、どうしても気になる。
彼女が気を失う前に残した、『大好き』の一言だ。言わせて無い、強制で無い言葉が、もし本当であれば。
自惚れているよね。
それに、俺はもうすぐ家を継ぐ身だ。きっと幸せになんて出来ない。
「梓ちゃん、今の本当なの?」
俺はそっと、梓ちゃんの頭を撫でた。
気を失った梓ちゃんは、まるで天使が寝てしまったかのようで。凄く綺麗だ。
「せんせぇ、」
寝ぼけて俺の名前を呼んでいる。たったそれだけの事なのに、凄く嬉しい。今顔真っ赤なんだろうなと思いながら、また撫でる。
「・・・嘘、じゃない、から」
もしそうだといいな。
俺は彼女を見てそう思いながら、車を走らせた。